2010年1月20日水曜日

タイヤ乗り

タイヤに乗って移動する、そんな健康法がブームだ。
ちょっとそのヘンの雑誌を開いてみても有名ドライバー、自動車評論家などが、その効能を
いろいろ書き立てている。

と言ってもタイヤを転がして、進むワケではない。
横倒しにしたタイヤの片方に乗って、もう一方についているヒモを掴んで両足を突っ張るようにして立つ。
するとちょっとの間をおいて、するすると滑り出すように動き出す。
ちょっとアタマの足りない子供が遊んでいるフウだけど、それに乗って移動するのがブームだ。

それなりにゆっくりになるけど登り坂でも進む。どういう仕組みかは分からないけど。
誰も何も疑問を持たない。とにかく横倒しにしたタイヤに乗るとそれは進むのだ。
そういう世の中。

それに乗って青山にある、古い大きな西洋館を改築して作ってある現代美術館に行った。
カビ、キノコの展示をやっている。最初ビミョーな気もしたがなかなか面白い。
ちょっと凝った昔の行燈の透かしの様な模様の入った、大きな傘をつけたキノコ。
こういう生物の常で、細かくバリエーション違いがあって、
それが蛍光灯に照らされガラスケースに入って淡々と並んでいた。
やる気のない、博物館っぽい展示がかえって効果を上げている様だった。

ちょうど模様換えらしく、自慢のブックセンターはホトンド空。
「そういう時なのを知らずに来てしまった…」
コトを周りになるべく悟られないように(笑)あちこちを興味深そうに歩き回る。

行燈型キノコがだんだん成長していく様子が
‘パラパラアニメの様に表示される大きなポスター'
が入り口付近に、グッズとして沢山展示してある。
厚手のコーティング紙っぽく見えるのだけど、注視すると…
どうなっているんだろう…相当の多層構造レンチキュラーのごとく…画が変わっていく。
黎明期を少し抜け出した頃のCGを早送りで見ているみたいだった。
(キノコ自体、そういうシンプルな、ある種バクテリアの様な構造なのだ)
買おうかどうしようか…ちょっとだけ迷ったけど
「こういうモノはその場では良く見えてもウチに持って帰ってみると意外と持て余すからな…」
と考え直す。

高円寺に向かって、またタイヤに乗って進む。
途中雨が降ってきたので、環7沿いのオートバックスでちょっと雨宿り。
ちょっと年配の店員は、まだブームを知らないらしく
入って来た私を思いっきりヘンな顔で見ている。
若い店員は、知っているけどまだ乗ったことがないらしく
「どうですか、乗り心地は」なんて話しかけてくる。

雨も上がったので、また出かける。
トラックもビュンビュン走る、環七をまた進む。低いトコロを走っているせいか
空が広くて、あんまり混雑は気にならない。
(実際は逆だと思うけど…まあ夢の中では納得している)

中央線のガードが見えてきた。あの下を右折しようと思う。





0 件のコメント:

コメントを投稿