2010年2月28日日曜日

クラムボン

私は広いリビングの一番隅でMacに向かって仕事をしている。
クラムボンのおかっぱの女の子が遊びにきている。(全然知り合いじゃないけど)

仕事を一段落させ「せっかくだからこの様子をミクシィに載せよう」
と思い、デジカメを手に取った。

ところが…カメラを向けられた彼女がニットキャップを取ると、
突然全然違う顔になった。

パッチワーク状に、顔の表面に色が塗ってある。
熱狂的なサッカーファンの様。
目の周りもピエロの様だ。
「全然違う顔だな~、なんだか顔の凹凸も増してきたぞ…へんなの…」

彼女は「どう、新しいメークなんだけど…」みたいなコトを言っている。
ちょっと自慢げ。どうしよう…
顔も性格もさっきまでとはまるで別人だ。

ところで、カメラがシャッターを押したタイミングで全然撮れない。
最近は、またそうなったのだ。

デジカメは素人には思いもつかない「ある種のリアル」を求めて競争&発展し続けた結果、
画像の処理がどんどん、どんどん複雑になり、演算装置のスピードアップが追いつかないのだ。
でも「思いがけないタイミングの写真が撮れてかえってイイモノだな」
とも思った。

そのうち彼女の仕事関係の女の子達も何人かやってきて、ちょっとしたパーティーの時間になった。

私がパスタをつくって振る舞うのだ。
「ちょっと手前にいる子は可愛いな…それに、横座りしている足がセクシーだな…」
なんて思いながらお皿を持っていったその時

部屋の南側に大きく天井まで開いた窓、から見える空、の真ん中高くで
すごくまぶしい爆発が起こった。

やわらかい、鈍い「ドフッ」という音がして、一瞬小さい太陽が現れた出現した様だった。
初期のスターウォーズの様な、綺麗な不純物の無さそうな爆発だった。
煙みたいなモノも全然立ち上らず、すぐに静かな夜空に戻った。

皆はのんきなもので「花火かしら…」なんてイイながらぼんやりまだ空を眺めている。
次を期待しているのだろう。

「細かい破片がこれから届くかもしれないし、殺傷目的かもしれない、
それに何か、目に見えない、例えば中性子とか…あるいは…」
そう、ゆる~く思った私は、とりあえず壁の後ろに隠れたりしながら(意味ないけどね…)
「こういう時はまずテレビをつけてみて」と連れに半ば命令口調で言った。
(だんだん、不吉な、よくないコトが起こる前兆…の様な気がし出していた)

連れは複雑なリモコンが上手く操作出来ないでいる。案の定だ。

「それじゃ、ダメだよ。画面切り替えの入力が違うでしょ。ほらかして…」

なぜかどのチャンネルもアニメ「沈黙の戦艦大和」を放映している。
切り替えても切り替えても、ちょっとダビング状態の悪いカンジの大和をやっていた。
ワイド画面だったり、株価情報が隅にあったり、4対3の画面の周りが黒くクロップされてたり、マチマチだった。

「日本が何かの記念日なのか?そうするとますます、さっきの爆発はあやしい?それとも?」
「まずリセットだ。ああ、このボタンと電源を同時押しだな」

やってみるものの、やっぱりさっきと同じアニメを延々流している


これはどうもネットで調べた方がよさそうだな、と思った。