2010年11月4日木曜日

21世紀‘現在’美術館


現代美術館であると同時に「刻々と移り変わる金澤の光」を見事に映し込む大きなモニュメント。
瞬間瞬間の空を反映し溶け込み昇華して'金澤の現在'を絶えず出現させ続ける、いわば「現在美術館」。
曲はレオナール・フジタ大回顧展のために作ったピアノ即興。シャペル・フジタとして知られる晩年の全てをかけて作った聖堂のテーマ。
この建物の存在感にもよく合っていると思う。

2010年10月5日火曜日

博多にて


愛弟子の結婚式で博多に行ってきた。かなり好きな街で、その印象は変わらないんだけど
川音が全然しない(水の流れがホトンドないから)橋による空間、次元の変化がほぼ、無い(金澤と大きく違う点)料理は美味しいけど味が濃い(多分、水道水がかなり不味いから?)地形による街のリズム変化がほぼ、無い。(太宰府までクルマで行ってみて・・・その緩慢な変化を確認)など、遊びで徒歩、地下鉄 クルマと手段を変えゆっくり廻ってみると新たな発見がいろいろあった。
それにしてもやはり博多っ子は圧倒的に美人が多い。スゴイ。

2010年8月25日水曜日

水のおもて


兼六園は年中早朝無料開園しているので夏の夜明けに佇むには最適。
稜線が白んでくる景色にあわせ日暮、アブラゼミが段々鳴き出して・・
光も香りも音も楽しい。
でもなんでだろう、ついつい魅入ってしまうのは、池のおもて。
水は相当不思議で魅力的なモノなのだ。

2010年2月28日日曜日

クラムボン

私は広いリビングの一番隅でMacに向かって仕事をしている。
クラムボンのおかっぱの女の子が遊びにきている。(全然知り合いじゃないけど)

仕事を一段落させ「せっかくだからこの様子をミクシィに載せよう」
と思い、デジカメを手に取った。

ところが…カメラを向けられた彼女がニットキャップを取ると、
突然全然違う顔になった。

パッチワーク状に、顔の表面に色が塗ってある。
熱狂的なサッカーファンの様。
目の周りもピエロの様だ。
「全然違う顔だな~、なんだか顔の凹凸も増してきたぞ…へんなの…」

彼女は「どう、新しいメークなんだけど…」みたいなコトを言っている。
ちょっと自慢げ。どうしよう…
顔も性格もさっきまでとはまるで別人だ。

ところで、カメラがシャッターを押したタイミングで全然撮れない。
最近は、またそうなったのだ。

デジカメは素人には思いもつかない「ある種のリアル」を求めて競争&発展し続けた結果、
画像の処理がどんどん、どんどん複雑になり、演算装置のスピードアップが追いつかないのだ。
でも「思いがけないタイミングの写真が撮れてかえってイイモノだな」
とも思った。

そのうち彼女の仕事関係の女の子達も何人かやってきて、ちょっとしたパーティーの時間になった。

私がパスタをつくって振る舞うのだ。
「ちょっと手前にいる子は可愛いな…それに、横座りしている足がセクシーだな…」
なんて思いながらお皿を持っていったその時

部屋の南側に大きく天井まで開いた窓、から見える空、の真ん中高くで
すごくまぶしい爆発が起こった。

やわらかい、鈍い「ドフッ」という音がして、一瞬小さい太陽が現れた出現した様だった。
初期のスターウォーズの様な、綺麗な不純物の無さそうな爆発だった。
煙みたいなモノも全然立ち上らず、すぐに静かな夜空に戻った。

皆はのんきなもので「花火かしら…」なんてイイながらぼんやりまだ空を眺めている。
次を期待しているのだろう。

「細かい破片がこれから届くかもしれないし、殺傷目的かもしれない、
それに何か、目に見えない、例えば中性子とか…あるいは…」
そう、ゆる~く思った私は、とりあえず壁の後ろに隠れたりしながら(意味ないけどね…)
「こういう時はまずテレビをつけてみて」と連れに半ば命令口調で言った。
(だんだん、不吉な、よくないコトが起こる前兆…の様な気がし出していた)

連れは複雑なリモコンが上手く操作出来ないでいる。案の定だ。

「それじゃ、ダメだよ。画面切り替えの入力が違うでしょ。ほらかして…」

なぜかどのチャンネルもアニメ「沈黙の戦艦大和」を放映している。
切り替えても切り替えても、ちょっとダビング状態の悪いカンジの大和をやっていた。
ワイド画面だったり、株価情報が隅にあったり、4対3の画面の周りが黒くクロップされてたり、マチマチだった。

「日本が何かの記念日なのか?そうするとますます、さっきの爆発はあやしい?それとも?」
「まずリセットだ。ああ、このボタンと電源を同時押しだな」

やってみるものの、やっぱりさっきと同じアニメを延々流している


これはどうもネットで調べた方がよさそうだな、と思った。

2010年1月27日水曜日

クローン


くたびれた畳敷きでちょっと薄暗くて天井の低い、急ごしらえの集会場の様な場所で
地味な宴会が開かれていた。
横長の机を何台もくっつけて布団を掛けて炬燵仕立てにしてある。
私の隣には、ハマタケさんがぼんやり座っていた。

しばらくすると気がふれた女が乱入してきた。

半狂乱の形相で「タケシはどこ、隠れてもダメよ」と言いながら、
コタツ布団をすごい勢いであちこちめくる。
「タケシ」がどこにも居ないとわかると「もうタケシとあの女から永遠に幸せを奪ってやる、そのためにこうしたのさ」
と言いながら紙袋から何かを…とりだした。

「あ、彼女は殺したタケシの赤ん坊の首を持ってきたんだ、その首を今から高く掲げるつもりだ…」
私は直感的にそう思い、ハマタケさんの目を覆った。
「だめだ、見ちゃいけない」
自分も見たくないので目をつむった。掌に、ハマタケさんの額から出ている汗の感触が伝わってきた。

突然彼女がゆったり落ち着いた声で「はあ、こういう見せ方もあるのね」とか言い出したから思わず手を離し、
私も目を開けてみると、そこはギャラリー空間にになっていて
さきほどの惨事はすべて象徴化されたオブジェ作品になっていた。

天井近くに吊された、ゆりかごの様なモノに、張りぼての丸いモノが入っていて、ころころ動いている。
並んだ人達が順番に「ちょっと有り難いモノ」であるかの様に見上げていた。

向こうの方にギャラリーレクチャーをやっている学芸員と客の一団が見えたので、「それとなくついて回ろう」
と思ったんだけど、さりげなく近づこうとしているうちに彼らはさっさとエレベーターで降りていってしまった。

その脇に階段室があった。ロの字型にず~っと下の方まで続いている。
手すりが実用新案らしく、スライドして動くプラスチックの取っ手をタイミング良く順番に操作することによって、
連続して手すりに腰掛けたまま下まで降りていける仕組みだった。
ガウンを着た英国人の老人が二人、慣れた様子でサーっと降りていった。
この美術館(か何か)に泊まり込みで研究している学者達だろうか…
自分も試してみたのだが上手く行かず、1階分降りたところでとりあえず断念した。
その階はさっきとは違い、なんだか閑散としていた。
大きな吹き抜けのある場所、吹き抜けの周りには、透明アクリルの大きな平たい箱が並んでいる。
冷たい白い光に浮かんでいた。

目を凝らすと手がうごめいているのがみえた。一つ一つの箱に人間?が入っているのか。
あれ、なんだか…出てきそうだぞ…

この階はどうも不味い予感がしてきたので、立ち去ろうと思うのだけど階段がみあたらない。
仕方がないので、目についたドアを開けてみた。
開けてみると薄暗い照明の廊下。
その先右側にちょっと光がみえたので行ってみると、広~い空間が広がっていてそこには何百もの先程見た人間(なのか?)達が全裸で蠢いていた。
薄ら笑いを浮かべてユラユラ動きながら、ちょっとずつ近づいてくる。
目つきからして、ちょっと脳に欠陥があるのかもしれない。
ほとんど同じ顔なのでクローンなのかもしれない。

戻ろうと思ったらさっきのドア、こちら側には取っ手がなかった。

「ああ、夢なら覚めないかな…でも夢じゃないよな」そんなコトを思った瞬間、廊下の片側の壁がどんでん返しさながらに、外向きにバ~っと倒れた。
芝生の緑が目に飛び込んできた。外は金網に囲まれた屋外運動場だった。
クローン達は定期的に運動しなくてはならず、そのために自動的に開いたらしい。

金網を登って脱出するコトにした。
そんなに高さはないんだけど、クローン達はちょっとアタマが弱いらしく「よじ登る」というコトが出来ないらしい。
まっすぐ金網に前進してきて、ぶつかって、戻って行った。
その間もなんとなく薄ら笑いを浮かべている。

裸のクローン達を後に「脱出してきた」コトをまわりに悟られないように(なぜ?ハハハ)筑波学園都市の郊外の様な雰囲気の道をとにかく歩いた。

先に高校があるみたいだ。
仲間が(いつの間にか4人組になっていた)
通りがかった「身体は大きいが気が弱そうな二人組」を脅して、
その高校の制服を持ってこさせるコトにした。
「おい、おまえの高校で人気がある四つの運動部のユニフォームを一つずつ、今すぐ持ってこい」
言いながらも、ビシ、ビシと殴っている音が聞こえてきた。
「そんなに殴らなくても…でもやっぱりそれくらい徹底しないと言うことを聞かないのかな。なるほど、脅し慣れているヤツはやり方が徹底しているモノなのだな。」
高校に潜入して、あわよくば人気者になろう…という不思議な作戦らしかった。

しばらくして届いた服を道の脇にあった小屋で着替え始めた。
「でも、四人が四人とも違うユニフォームで行くとかえってヘンじゃないのかな…」

とぼんやり考えながら、紫が基調のバドミントン部の服に着替えていた。

2010年1月22日金曜日

爪楊枝

手のひらからトゲがでていた。
引っ張ってみると爪楊枝の先、3センチくらいありそうな、もの。
よくみると、もう一本、探ってみるとまだある。
血は出ない。しばらくしてみてみると、また一本、二本。
結局片手から、20~30本くらい出てきた。
「これはちょっと不思議な症状だぞ」と集めた爪楊枝の先を観ながら思う。

手のひらをふとみると、
‘細切れのレバーが沢山入っている発泡スチロールのトレー'
が皮膚を透けてみえている…そんなカンジに見えた(なんだそれ?)
ちょっと古くなって、酸化して変色している部分もある。
よ~く観てみると全部小さい赤黒い歯車状の何かだ。ちょっと気持ち悪い。
掌をこすり合わせてみると、見えなくなった。
ちょっと痛い。そりゃ、無理もない。
あんなに沢山の楊枝が入っていたのだ。
マキロンを塗ろうか、オロナインか…
最初にマキロンを塗って、そのあとオロナインを濡ればいいのか。
でもこれから料理をするから、マキロンだけか…

そんなコトを考えた。しばらく時間が経った。その間何をしていたのか…
分からない。

犀川の下菊橋の桁につくってある離れに移動する。
我が家が川遊びをする時に利用する、離れ&屋敷の出口だ。

ウチはちょっとした名家なのだ。

見下ろすと遊覧船が派手なアナウンスと共にジグザグに移動している。
ディズニーが新しく始めたアトラクションだ。
危機一髪を演出しながら、派手にUターンを繰り返している。
乗客は気づかないらしいけど上から見ると、ホントに川岸ギリギリを通っている。
今にぶつかるよね。
乗客には見えないトコロで、二人の水兵が焦ってバタバタ動いているのが見えた。
ホントに危機一髪だ。
橋桁には、アザラシが何頭かいる。これもディズニーが餌付けをしているらしい。
近寄っても全然逃げない。

下に降りると増水していて、いつもは歩いて川岸まで渡れるのにちょっと無理。
都合良く小さい筏が流れてきたので、それを足で操って慣れた感じで川岸に渡る。
周りに沢山の観光客がいる中、そういう場所に自宅の離れがあるコト、
筏を慣れた様子で操っているコトなどが優越感をくすぐる。
観ている人達もちょっと羨ましそうだ。
アザラシたちも近寄ってくる。

そのまま川沿いに建つ、母校の小学校の裏の道へ向かう。秋に咲く桜が何本も満開の綺麗な夕暮れだった。
桜のいい香りを一杯に吸い込みながら、良い気分で歩いた。



2010年1月21日木曜日

大太鼓

ジロウのウェブ仲間御一行様という札の出ているバスに乗り込む。まだジロウは来ていない。
かなり前から来ているらしい人も居て、毛布にくるまって狭い椅子で寝ている。
台風で新幹線に閉じこめられた人達の様な雰囲気。
「ジロウはどうしたのだ…相変わらず時間にはルーズだな…」なんて思う。

外から湿った草木のいい香りがしてきたので、窓側に行ってみると
バスに乗り込んだのだと思っていたのに旅館の一室だったコトが分かった。
というか窓の方に歩いている間に空間がそう、変化した。

大きく横長に開かれた特別設計の窓の外、トタン葺きの屋根の先には、
箱根の山奥の様な、なだらかな山が広がっていて
そこにうっすらと雨が降り出していた。

「いい風景だな。いいトコロへ来た。」と思っていると、
いきなりジロウの古い仲間のジャン君が、なにやら楽しげな素振りで
窓から外のトタン屋根へ歩き出し、端っこの方まで
行ったと思ったら、片手でぶら下がったりし出した。
「彼ってああいう危険なコトをする人だったのか…」
スゴイ怪力で屋根の端が捲れ上がったりする「メキメキ」という音もしている。

やおら満足したのか、体操代表の様な身のこなしで戻ってくると、
他の窓からみていたお客さん達から一斉に拍手があがり、
さらに彼らも屋根に出てきた。「大丈夫なのかな」と思っていたら
そっちはどこかの高校の修学旅行の一行らしく、引率の先生が
「頼むから建物だけは、壊さないでくれ」と懇願しながら
屋根に走り出してきたので、皆はしぶしぶ帰っていった。

雨も上がったので、私は自転車を借りて、ちょっと麓へ探検にいくコトにした。
建物を出て左の方へ続く気持ちのいい道を選んだ。
下りでもないのに、なぜかスピードも上がり、快適だったけど、
だんだん20~30センチくらいの、細長く切り立った岩が
ところどころに突き出ている箇所が多くなり危険になってきた。
引き返えそうと、ブレーキをかけるといきなりロックして、
地面に投げ出された。
肌を細かい砂地が擦る感触がした。
体の動きが止まったのでその姿勢のまま「どこか打っていないか」確認したけど、
どこも痛くはなかった。

随分進んだつもりだったけど、まだ最初の分かれ道から50メートルも来ていなかった。
分岐点に戻り、もう一本の麓へ行く道の方を降りていくコトにした。
でもしばらく行くと、さっきの衝撃もあってかチェーンがはずれたので降りた。

「どういう手順でやれば一番手が汚れないか」を調べている間に、その村の祭りの時間になり、
私が自転車を降りたトコロが出発点なのか、どんどん人が集まってきた。
みんな黄色いプラスチックで出来た釣り鐘状のモノをすっぽりアタマにカブっていた。
目のトコロだけは中世の鎧の様に細長く四角い切り込みがあった。
上半身も同じ黄色いトレーナーの様なモノを着て、赤いズボンをはいていた。
みんな少し太っていた。

「大した祭りでなないだろう…」と別に気にしないでチェーンを直している間に、おおきな山車がやってきたらしく、観客から声があがる。観てみると直径3メートルはある巨大な和太鼓の胴の部分がやけに薄いのが、山車に乗ってゆっくり遠ざかっていく。

「あの低音がなんともえなくスゴイ…」などと、近くにいる人達は興奮気味に話しているが、

私には終始なにも聞こえなかった。

2010年1月20日水曜日

タイヤ乗り

タイヤに乗って移動する、そんな健康法がブームだ。
ちょっとそのヘンの雑誌を開いてみても有名ドライバー、自動車評論家などが、その効能を
いろいろ書き立てている。

と言ってもタイヤを転がして、進むワケではない。
横倒しにしたタイヤの片方に乗って、もう一方についているヒモを掴んで両足を突っ張るようにして立つ。
するとちょっとの間をおいて、するすると滑り出すように動き出す。
ちょっとアタマの足りない子供が遊んでいるフウだけど、それに乗って移動するのがブームだ。

それなりにゆっくりになるけど登り坂でも進む。どういう仕組みかは分からないけど。
誰も何も疑問を持たない。とにかく横倒しにしたタイヤに乗るとそれは進むのだ。
そういう世の中。

それに乗って青山にある、古い大きな西洋館を改築して作ってある現代美術館に行った。
カビ、キノコの展示をやっている。最初ビミョーな気もしたがなかなか面白い。
ちょっと凝った昔の行燈の透かしの様な模様の入った、大きな傘をつけたキノコ。
こういう生物の常で、細かくバリエーション違いがあって、
それが蛍光灯に照らされガラスケースに入って淡々と並んでいた。
やる気のない、博物館っぽい展示がかえって効果を上げている様だった。

ちょうど模様換えらしく、自慢のブックセンターはホトンド空。
「そういう時なのを知らずに来てしまった…」
コトを周りになるべく悟られないように(笑)あちこちを興味深そうに歩き回る。

行燈型キノコがだんだん成長していく様子が
‘パラパラアニメの様に表示される大きなポスター'
が入り口付近に、グッズとして沢山展示してある。
厚手のコーティング紙っぽく見えるのだけど、注視すると…
どうなっているんだろう…相当の多層構造レンチキュラーのごとく…画が変わっていく。
黎明期を少し抜け出した頃のCGを早送りで見ているみたいだった。
(キノコ自体、そういうシンプルな、ある種バクテリアの様な構造なのだ)
買おうかどうしようか…ちょっとだけ迷ったけど
「こういうモノはその場では良く見えてもウチに持って帰ってみると意外と持て余すからな…」
と考え直す。

高円寺に向かって、またタイヤに乗って進む。
途中雨が降ってきたので、環7沿いのオートバックスでちょっと雨宿り。
ちょっと年配の店員は、まだブームを知らないらしく
入って来た私を思いっきりヘンな顔で見ている。
若い店員は、知っているけどまだ乗ったことがないらしく
「どうですか、乗り心地は」なんて話しかけてくる。

雨も上がったので、また出かける。
トラックもビュンビュン走る、環七をまた進む。低いトコロを走っているせいか
空が広くて、あんまり混雑は気にならない。
(実際は逆だと思うけど…まあ夢の中では納得している)

中央線のガードが見えてきた。あの下を右折しようと思う。