2010年8月25日水曜日
2010年2月28日日曜日
クラムボン
私は広いリビングの一番隅でMacに向かって仕事をしている。
クラムボンのおかっぱの女の子が遊びにきている。(全然知り合いじゃないけど)
仕事を一段落させ「せっかくだからこの様子をミクシィに載せよう」
と思い、デジカメを手に取った。
ところが…カメラを向けられた彼女がニットキャップを取ると、
突然全然違う顔になった。
パッチワーク状に、顔の表面に色が塗ってある。
熱狂的なサッカーファンの様。
目の周りもピエロの様だ。
「全然違う顔だな~、なんだか顔の凹凸も増してきたぞ…へんなの…」
彼女は「どう、新しいメークなんだけど…」みたいなコトを言っている。
ちょっと自慢げ。どうしよう…
顔も性格もさっきまでとはまるで別人だ。
ところで、カメラがシャッターを押したタイミングで全然撮れない。
最近は、またそうなったのだ。
デジカメは素人には思いもつかない「ある種のリアル」を求めて競争&発展し続けた結果、
画像の処理がどんどん、どんどん複雑になり、演算装置のスピードアップが追いつかないのだ。
でも「思いがけないタイミングの写真が撮れてかえってイイモノだな」
とも思った。
そのうち彼女の仕事関係の女の子達も何人かやってきて、ちょっとしたパーティーの時間になった。
私がパスタをつくって振る舞うのだ。
「ちょっと手前にいる子は可愛いな…それに、横座りしている足がセクシーだな…」
なんて思いながらお皿を持っていったその時
部屋の南側に大きく天井まで開いた窓、から見える空、の真ん中高くで
すごくまぶしい爆発が起こった。
やわらかい、鈍い「ドフッ」という音がして、一瞬小さい太陽が現れた出現した様だった。
初期のスターウォーズの様な、綺麗な不純物の無さそうな爆発だった。
煙みたいなモノも全然立ち上らず、すぐに静かな夜空に戻った。
皆はのんきなもので「花火かしら…」なんてイイながらぼんやりまだ空を眺めている。
次を期待しているのだろう。
「細かい破片がこれから届くかもしれないし、殺傷目的かもしれない、
それに何か、目に見えない、例えば中性子とか…あるいは…」
そう、ゆる~く思った私は、とりあえず壁の後ろに隠れたりしながら(意味ないけどね…)
「こういう時はまずテレビをつけてみて」と連れに半ば命令口調で言った。
(だんだん、不吉な、よくないコトが起こる前兆…の様な気がし出していた)
連れは複雑なリモコンが上手く操作出来ないでいる。案の定だ。
「それじゃ、ダメだよ。画面切り替えの入力が違うでしょ。ほらかして…」
なぜかどのチャンネルもアニメ「沈黙の戦艦大和」を放映している。
切り替えても切り替えても、ちょっとダビング状態の悪いカンジの大和をやっていた。
ワイド画面だったり、株価情報が隅にあったり、4対3の画面の周りが黒くクロップされてたり、マチマチだった。
「日本が何かの記念日なのか?そうするとますます、さっきの爆発はあやしい?それとも?」
「まずリセットだ。ああ、このボタンと電源を同時押しだな」
やってみるものの、やっぱりさっきと同じアニメを延々流している
これはどうもネットで調べた方がよさそうだな、と思った。
2010年1月27日水曜日
クローン
地味な宴会が開かれていた。
横長の机を何台もくっつけて布団を掛けて炬燵仕立てにしてある。
私の隣には、ハマタケさんがぼんやり座っていた。
しばらくすると気がふれた女が乱入してきた。
半狂乱の形相で「タケシはどこ、隠れてもダメよ」と言いながら、
コタツ布団をすごい勢いであちこちめくる。
「タケシ」がどこにも居ないとわかると「もうタケシとあの女から永遠に幸せを奪ってやる、そのためにこうしたのさ」
と言いながら紙袋から何かを…とりだした。
「あ、彼女は殺したタケシの赤ん坊の首を持ってきたんだ、その首を今から高く掲げるつもりだ…」
私は直感的にそう思い、ハマタケさんの目を覆った。
「だめだ、見ちゃいけない」
自分も見たくないので目をつむった。掌に、ハマタケさんの額から出ている汗の感触が伝わってきた。
突然彼女がゆったり落ち着いた声で「はあ、こういう見せ方もあるのね」とか言い出したから思わず手を離し、
私も目を開けてみると、そこはギャラリー空間にになっていて
さきほどの惨事はすべて象徴化されたオブジェ作品になっていた。
天井近くに吊された、ゆりかごの様なモノに、張りぼての丸いモノが入っていて、ころころ動いている。
並んだ人達が順番に「ちょっと有り難いモノ」であるかの様に見上げていた。
向こうの方にギャラリーレクチャーをやっている学芸員と客の一団が見えたので、「それとなくついて回ろう」
と思ったんだけど、さりげなく近づこうとしているうちに彼らはさっさとエレベーターで降りていってしまった。
その脇に階段室があった。ロの字型にず~っと下の方まで続いている。
手すりが実用新案らしく、スライドして動くプラスチックの取っ手をタイミング良く順番に操作することによって、
連続して手すりに腰掛けたまま下まで降りていける仕組みだった。
ガウンを着た英国人の老人が二人、慣れた様子でサーっと降りていった。
この美術館(か何か)に泊まり込みで研究している学者達だろうか…
自分も試してみたのだが上手く行かず、1階分降りたところでとりあえず断念した。
その階はさっきとは違い、なんだか閑散としていた。
大きな吹き抜けのある場所、吹き抜けの周りには、透明アクリルの大きな平たい箱が並んでいる。
冷たい白い光に浮かんでいた。
目を凝らすと手がうごめいているのがみえた。一つ一つの箱に人間?が入っているのか。
あれ、なんだか…出てきそうだぞ…
この階はどうも不味い予感がしてきたので、立ち去ろうと思うのだけど階段がみあたらない。
仕方がないので、目についたドアを開けてみた。
開けてみると薄暗い照明の廊下。
その先右側にちょっと光がみえたので行ってみると、広~い空間が広がっていてそこには何百もの先程見た人間(なのか?)達が全裸で蠢いていた。
薄ら笑いを浮かべてユラユラ動きながら、ちょっとずつ近づいてくる。
目つきからして、ちょっと脳に欠陥があるのかもしれない。
ほとんど同じ顔なのでクローンなのかもしれない。
戻ろうと思ったらさっきのドア、こちら側には取っ手がなかった。
「ああ、夢なら覚めないかな…でも夢じゃないよな」そんなコトを思った瞬間、廊下の片側の壁がどんでん返しさながらに、外向きにバ~っと倒れた。
芝生の緑が目に飛び込んできた。外は金網に囲まれた屋外運動場だった。
クローン達は定期的に運動しなくてはならず、そのために自動的に開いたらしい。
金網を登って脱出するコトにした。
そんなに高さはないんだけど、クローン達はちょっとアタマが弱いらしく「よじ登る」というコトが出来ないらしい。
まっすぐ金網に前進してきて、ぶつかって、戻って行った。
その間もなんとなく薄ら笑いを浮かべている。
裸のクローン達を後に「脱出してきた」コトをまわりに悟られないように(なぜ?ハハハ)筑波学園都市の郊外の様な雰囲気の道をとにかく歩いた。
先に高校があるみたいだ。
仲間が(いつの間にか4人組になっていた)
通りがかった「身体は大きいが気が弱そうな二人組」を脅して、
その高校の制服を持ってこさせるコトにした。
「おい、おまえの高校で人気がある四つの運動部のユニフォームを一つずつ、今すぐ持ってこい」
言いながらも、ビシ、ビシと殴っている音が聞こえてきた。
「そんなに殴らなくても…でもやっぱりそれくらい徹底しないと言うことを聞かないのかな。なるほど、脅し慣れているヤツはやり方が徹底しているモノなのだな。」
高校に潜入して、あわよくば人気者になろう…という不思議な作戦らしかった。
しばらくして届いた服を道の脇にあった小屋で着替え始めた。
「でも、四人が四人とも違うユニフォームで行くとかえってヘンじゃないのかな…」
とぼんやり考えながら、紫が基調のバドミントン部の服に着替えていた。
2010年1月22日金曜日
爪楊枝
手のひらからトゲがでていた。
引っ張ってみると爪楊枝の先、3センチくらいありそうな、もの。
よくみると、もう一本、探ってみるとまだある。
血は出ない。しばらくしてみてみると、また一本、二本。
結局片手から、20~30本くらい出てきた。
「これはちょっと不思議な症状だぞ」と集めた爪楊枝の先を観ながら思う。
手のひらをふとみると、
‘細切れのレバーが沢山入っている発泡スチロールのトレー'
が皮膚を透けてみえている…そんなカンジに見えた(なんだそれ?)
ちょっと古くなって、酸化して変色している部分もある。
よ~く観てみると全部小さい赤黒い歯車状の何かだ。ちょっと気持ち悪い。
掌をこすり合わせてみると、見えなくなった。
ちょっと痛い。そりゃ、無理もない。
あんなに沢山の楊枝が入っていたのだ。
マキロンを塗ろうか、オロナインか…
最初にマキロンを塗って、そのあとオロナインを濡ればいいのか。
でもこれから料理をするから、マキロンだけか…
そんなコトを考えた。しばらく時間が経った。その間何をしていたのか…
分からない。
犀川の下菊橋の桁につくってある離れに移動する。
我が家が川遊びをする時に利用する、離れ&屋敷の出口だ。
ウチはちょっとした名家なのだ。
見下ろすと遊覧船が派手なアナウンスと共にジグザグに移動している。
ディズニーが新しく始めたアトラクションだ。
危機一髪を演出しながら、派手にUターンを繰り返している。
乗客は気づかないらしいけど上から見ると、ホントに川岸ギリギリを通っている。
今にぶつかるよね。
乗客には見えないトコロで、二人の水兵が焦ってバタバタ動いているのが見えた。
ホントに危機一髪だ。
橋桁には、アザラシが何頭かいる。これもディズニーが餌付けをしているらしい。
近寄っても全然逃げない。
下に降りると増水していて、いつもは歩いて川岸まで渡れるのにちょっと無理。
都合良く小さい筏が流れてきたので、それを足で操って慣れた感じで川岸に渡る。
周りに沢山の観光客がいる中、そういう場所に自宅の離れがあるコト、
筏を慣れた様子で操っているコトなどが優越感をくすぐる。
観ている人達もちょっと羨ましそうだ。
アザラシたちも近寄ってくる。
そのまま川沿いに建つ、母校の小学校の裏の道へ向かう。秋に咲く桜が何本も満開の綺麗な夕暮れだった。
桜のいい香りを一杯に吸い込みながら、良い気分で歩いた。
2010年1月21日木曜日
大太鼓
かなり前から来ているらしい人も居て、毛布にくるまって狭い椅子で寝ている。
台風で新幹線に閉じこめられた人達の様な雰囲気。
「ジロウはどうしたのだ…相変わらず時間にはルーズだな…」なんて思う。
外から湿った草木のいい香りがしてきたので、窓側に行ってみると
バスに乗り込んだのだと思っていたのに旅館の一室だったコトが分かった。
というか窓の方に歩いている間に空間がそう、変化した。
大きく横長に開かれた特別設計の窓の外、トタン葺きの屋根の先には、
箱根の山奥の様な、なだらかな山が広がっていて
そこにうっすらと雨が降り出していた。
「いい風景だな。いいトコロへ来た。」と思っていると、
いきなりジロウの古い仲間のジャン君が、なにやら楽しげな素振りで
窓から外のトタン屋根へ歩き出し、端っこの方まで
行ったと思ったら、片手でぶら下がったりし出した。
「彼ってああいう危険なコトをする人だったのか…」
スゴイ怪力で屋根の端が捲れ上がったりする「メキメキ」という音もしている。
やおら満足したのか、体操代表の様な身のこなしで戻ってくると、
他の窓からみていたお客さん達から一斉に拍手があがり、
さらに彼らも屋根に出てきた。「大丈夫なのかな」と思っていたら
そっちはどこかの高校の修学旅行の一行らしく、引率の先生が
「頼むから建物だけは、壊さないでくれ」と懇願しながら
屋根に走り出してきたので、皆はしぶしぶ帰っていった。
雨も上がったので、私は自転車を借りて、ちょっと麓へ探検にいくコトにした。
建物を出て左の方へ続く気持ちのいい道を選んだ。
下りでもないのに、なぜかスピードも上がり、快適だったけど、
だんだん20~30センチくらいの、細長く切り立った岩が
ところどころに突き出ている箇所が多くなり危険になってきた。
引き返えそうと、ブレーキをかけるといきなりロックして、
地面に投げ出された。
肌を細かい砂地が擦る感触がした。
体の動きが止まったのでその姿勢のまま「どこか打っていないか」確認したけど、
どこも痛くはなかった。
随分進んだつもりだったけど、まだ最初の分かれ道から50メートルも来ていなかった。
分岐点に戻り、もう一本の麓へ行く道の方を降りていくコトにした。
でもしばらく行くと、さっきの衝撃もあってかチェーンがはずれたので降りた。
「どういう手順でやれば一番手が汚れないか」を調べている間に、その村の祭りの時間になり、
私が自転車を降りたトコロが出発点なのか、どんどん人が集まってきた。
みんな黄色いプラスチックで出来た釣り鐘状のモノをすっぽりアタマにカブっていた。
目のトコロだけは中世の鎧の様に細長く四角い切り込みがあった。
上半身も同じ黄色いトレーナーの様なモノを着て、赤いズボンをはいていた。
みんな少し太っていた。
「大した祭りでなないだろう…」と別に気にしないでチェーンを直している間に、おおきな山車がやってきたらしく、観客から声があがる。観てみると直径3メートルはある巨大な和太鼓の胴の部分がやけに薄いのが、山車に乗ってゆっくり遠ざかっていく。
「あの低音がなんともえなくスゴイ…」などと、近くにいる人達は興奮気味に話しているが、
私には終始なにも聞こえなかった。
2010年1月20日水曜日
タイヤ乗り
タイヤに乗って移動する、そんな健康法がブームだ。
ちょっとそのヘンの雑誌を開いてみても有名ドライバー、自動車評論家などが、その効能を
いろいろ書き立てている。
と言ってもタイヤを転がして、進むワケではない。
横倒しにしたタイヤの片方に乗って、もう一方についているヒモを掴んで両足を突っ張るようにして立つ。
するとちょっとの間をおいて、するすると滑り出すように動き出す。
ちょっとアタマの足りない子供が遊んでいるフウだけど、それに乗って移動するのがブームだ。
それなりにゆっくりになるけど登り坂でも進む。どういう仕組みかは分からないけど。
誰も何も疑問を持たない。とにかく横倒しにしたタイヤに乗るとそれは進むのだ。
そういう世の中。
それに乗って青山にある、古い大きな西洋館を改築して作ってある現代美術館に行った。
カビ、キノコの展示をやっている。最初ビミョーな気もしたがなかなか面白い。
ちょっと凝った昔の行燈の透かしの様な模様の入った、大きな傘をつけたキノコ。
こういう生物の常で、細かくバリエーション違いがあって、
それが蛍光灯に照らされガラスケースに入って淡々と並んでいた。
やる気のない、博物館っぽい展示がかえって効果を上げている様だった。
ちょうど模様換えらしく、自慢のブックセンターはホトンド空。
「そういう時なのを知らずに来てしまった…」
コトを周りになるべく悟られないように(笑)あちこちを興味深そうに歩き回る。
行燈型キノコがだんだん成長していく様子が
‘パラパラアニメの様に表示される大きなポスター'
が入り口付近に、グッズとして沢山展示してある。
厚手のコーティング紙っぽく見えるのだけど、注視すると…
どうなっているんだろう…相当の多層構造レンチキュラーのごとく…画が変わっていく。
黎明期を少し抜け出した頃のCGを早送りで見ているみたいだった。
(キノコ自体、そういうシンプルな、ある種バクテリアの様な構造なのだ)
買おうかどうしようか…ちょっとだけ迷ったけど
「こういうモノはその場では良く見えてもウチに持って帰ってみると意外と持て余すからな…」
と考え直す。
高円寺に向かって、またタイヤに乗って進む。
途中雨が降ってきたので、環7沿いのオートバックスでちょっと雨宿り。
ちょっと年配の店員は、まだブームを知らないらしく
入って来た私を思いっきりヘンな顔で見ている。
若い店員は、知っているけどまだ乗ったことがないらしく
「どうですか、乗り心地は」なんて話しかけてくる。
雨も上がったので、また出かける。
トラックもビュンビュン走る、環七をまた進む。低いトコロを走っているせいか
空が広くて、あんまり混雑は気にならない。
(実際は逆だと思うけど…まあ夢の中では納得している)
中央線のガードが見えてきた。あの下を右折しようと思う。
2009年12月7日月曜日
丸の内で空を見上げて
2009年11月28日土曜日
光る樹の根本
友人のシンガーAseiさんの携帯サイトを私の連れが作ることになったので、
その打ち合わせをウチから歩いて30秒くらいの図書館でやるコトにして、
私は二人を待っていた。
お互いの顔を知っている私がまず二人を合わせて、あとはテキトーに…
という流れだ。
前庭、というか簡単な公園を兼ねたスペースを持つ
ガラス面積の多い建物で、規模が小さいせいかあまり人が来ない、
でも愛用している人はそこそこ多いいい図書館だ。
今回みたいに打ち合わせにも使える簡単な喫茶もある。
彼らの顔合わせも無事済み暇になった私は、
たまにガラス越しに彼らが談笑しているのをなんとなく確認しながら、
しばらく公園でブラブラするコトにした。
ウチはすぐ近くなので帰ってもいいんだけど、気持ちのいい日だったのだ。
しばらくすると、顔見知りの黒人がやってきた。
ホントは知らないフリをしたい知人だったんだけど、
障害物の無い人気のない公園、そういうワケにも行かず、簡単な挨拶をした。
案の定、一緒に来た仲間となんだか良くない相談をしている。
「人を殴るというのはそういうんじゃダメだ…、俺が教えてやる」
とかいいながら、ボクシングの真似事をやり始めた。
イマイチっぽい仲間を相手に軽くパンチを繰り出している。
さすが黒人で、繰り出すパンチのリーチが長い、異様に長い。
パンチは確かに有効なんだろうけど、見ていてちょっと異様(笑)
戦っている男、というより
変わった捕食動物が特別に進化した触手を伸ばしている
そんなカンジに見えた。
手応えのない仲間相手にしばらくそうした後で、案の定
「お前も俺のパンチを受けてみないか」と尋ねてきた。
そうなると断るワケにもいかず、薄いミットの様なモノを借りて、
彼のパンチを受けるコトになった。
人を憎んでいる様に見える彼の顔を正面に見据えながら、
それなりに「効いている」雰囲気を出しながら何発か付き合う。
最初の衝撃はそんなでもないのに、手のひらにジワっと押し込まれる感触が
なんとも気持ちわるかった。
しばらくして一応満足したのか、彼は仲間を連れて何処かに行ってしまった。
ヤレヤレ…
また元のベンチに戻ってボンヤリ座っていると、遠くから私を見ている女性がいる。
「ああ、そうだ、さっき占いをやってもらったよな…」
彼らよりも早く来ていた私は、
ここで「占い師の練習をしている」という彼女のために練習台になっていたのだ。
しばらく目を合わせた後、思い切った様に立ち上がり、
広場を真っ直ぐに横切って私の処にやってきて横に座った。
「もしよかったら…30分くらいでもいいから、私と散歩しません?」
と言う。
痩せてちょっと色の黒い、目鼻立ちのしっかりした綺麗な顔をしている。
いったん図書館に戻り、まだ打ち合わせ中だった連れの耳元で小声で
「さっき公園で会った女性とちょっと散歩してくる。遅くなっても心配しないで」
と言うと何かブツクサ言っていたけど、そのままにして出てきた。
歩き出すとすぐに、彼女は私の手を握ってきた。まあいい。
最初の角を曲がると、今度は手を回してきた。私もそれに応えてお互いに
腰に手を回して、ぴったり寄り添って歩いた。
しばらく歩くと、道路の反対側に大きな木が見えてきた。
地面から一メートルくらいの高さのトコロに、薄くもやがかかった様になっていて
キラキラ光っている。
猿丸神社の御神木と同じだな、と思った。
2009年8月16日日曜日
ひがし茶屋街の猫奴さん
2009年7月8日水曜日
よろずのことは、月観るにこそ
2009年6月8日月曜日
2009年6月6日土曜日
PMC
百万石まつりの当日、
エフエム石川の西坂さんに案内して頂き金沢工業大学のPMCへ
巨大なレコードアーカイブ。
日々インデックス化が進んでいて20万枚近くある蔵盤は一目瞭然。
で、自由に試聴が出来る。(10数席用意されたボディソニックシートで・・・)
DJ界を中心に世界的にそこそこ知れ渡っているのも納得。
同行のTさんは自分がプロデュースした数々の名盤を見つけてご満悦。
桃源郷
そしてとても、とても大切な未来へ向けての財産。
僕たちは普段ずいぶん簡略化されたCDやAAC音源を聴いているからね。
2009年5月9日土曜日
2009年5月1日金曜日
夕暮れタイムトンネル
白い壁と透明なガラスで出来たこの建物は金澤の刻々と移りゆく光を映してそれ自体が鑑賞対象。 タレルさんの部屋から眺める切り取られた空もいいけど(実は・・・空から降ってくる音もかなりイイ)こういう時間の(マジックアワーの)外観は思わず息を呑む。
すっかり青いとばりが降りてきた空と明るく輝く室内の対比がちょっと不思議。あちらこちらに異次元の狭間がある金澤、ここにも次元のズレがありそうだ。
すっかり青いとばりが降りてきた空と明るく輝く室内の対比がちょっと不思議。あちらこちらに異次元の狭間がある金澤、ここにも次元のズレがありそうだ。
2009年4月14日火曜日
2009年4月13日月曜日
W次元坂
文学作品にもたびたび取り上げられ、そのちょっと洒落たネーミングとも相まって、金澤でも有名な坂。
古い坂の骨格や石組み、趣は最大限に残しつつ、絶妙なさじ加減でリニューアルされた現代版 W坂。
(金沢市はこういうのとても上手。いつも感心)
ここは藩政期に奥方へのサービスとして城から桜霞を眺めるために桜を植えたあたり(優雅な話。昔は桜畠と言った)渋い石垣と桜のマッチングはいかにも金澤。
石段を踏むたび、角を曲がるたび、どんどん変化する眺めを味わっているうちに、いつのまにか降りて(上って)しまう。
寺町台地と犀川河畔というキッチリ隣接している異界を結ぶ坂。
2009年3月13日金曜日
ナイトメディテーションバスコレクション、再び

去年の11月に限定発売され、すぐに完売してしまった
アユーラ ナイトメディテーションバスコレクションが
今度は桜色のプレーヤーになって限定発売中。
思い返せば…いつだったっけ…20世紀の終わり頃か…
「アユーラブランドを浸透させるイベント会場に流す音楽を…」
というオーダーで作った数曲が好評で
(自分自身とても気に入った仕事)
その後
「聴いてリラックスして、綺麗になる」という商品企画が立ち上がり
アユーラCD「快」が発売され・・・
そして去年の夏
このアルバムを組み込んだ素敵な限定商品の話を頂き…
そしてまたニューバージョンの発売…
アユーラを通して
「こういう機会がなければ接しなかったであろう人達」
の耳にも私の音楽が届いているんだろうな〜と想像すると
とてもウレシイ♪
ブログの表題にもあるように
「金澤を愛する作曲家」の
金澤での美しい記憶を元に作られた曲が沢山収録されています。
地元の人達にも沢山愛聴してもらいたいモノ
2009年3月3日火曜日
手拍子委員会
天井がパノラマルーフになっている幅の広い軌道バスに乗って、未来的なビルの建ち並ぶ島々を結ぶハイウエイを新しい‘高速鉄道’に乗るために、最近出来たばかりのステーションビルに向かって移動していた。
夕暮れの濃い青空に浮かぶ、微かに赤みを帯びた雲が美しかった。ステーションの真下の片側三車線の真っ白なトンネルに入ると、外の光よりも遥かに明るいすっきりした光で満ちていた。
正面から巨大な銀色の鉛筆の様なカタチの列車が同じ軌道上をこっちへ向かってゆっくり移動してきて、そのままでは衝突する気がしたけど、程なく一両ずつ蛇腹状の連結部分が170度!ほど折れ曲がり軌道からそれて、となりにトンネル状に空いていた格納庫に器用に、すっぽり入っていった。
その間一切金属の擦れ合う音などはしなかった。
自分達の乗る予定の列車は地面の中を主に進む、銀色の巨大なミミズの様な乗り物だった。
乗り込む前にまず、その乗り物についての展示スペースに通された。スポンサーからの宣伝や簡単なレクチャーを受けなくてはいけないみたいだった。間もなくちょっとしたオープニングアトラクションが始まった。
それなりの映像効果と音の中、あちらこちらの壁がブーンという振動と共に順々にミミズのアタマ状に膨れあがり、それはこの乗り物が地中を力強く進むイメージを表現したモノらしかった。
お金のかかった演出だったけどあまりいいカンジはしなかった。
そのうち、スタッフ達が誰彼ともなく、なにやら話しかけ始めている。そばで聞いていると乗客を代表して何か一言ステージに登って話して欲しい、という交渉だった。
なんだか面倒なカンジになってきたので、しばらく隠れていようと思い、たまたま近くにあった階段で、すこしの時間だけ下のフロアーに避難するコトにした。
下に行ってみると、そこは最近改装したばかりの老舗の蕎麦屋だった。
古い建築意匠のまま、思いっきり明るい色の白木をふんだんに使った内装で、若女将をはじめ、店の従業員達の活気溢れる声が響いていた。
まもなく玄関でひときわ響くテノールの声がして、そこの名物出前持ちの老人が戻ってきた。古くからその店に伝わる宣伝文句を優しい節回しで唸りながら岡持をもって歩き回るのだそうだ。外から帰ってきてもそのまま、一節だけ名調子を聴かせてくれるのもこの店の名物で、お客達はみな、食べている手を休めてそっちを向いた。
自分はまだ席についてなかったので、そのまま玄関の方に行ってみると、老人が担いできたのは、岡持というより、江戸時代の夜鳴き蕎麦屋が引いていた屋台くらいの大きさの段違いの棚の様なモノで、小柄な老人はすっかりその陰に隠れて見えなかったけど、所々しか判らない古い言葉を使った優美な唄がその向こうから流れてきた。
一節唄い終わると常連客達が違う唄をリクエストし出した。「ぜひ久々にあれをやってくれないか…」そんな声がする。老人の快い承諾の声がすると店中はますます沸いた。とほとんど同時に老人は玄関脇のちょっと低めの神棚くらいの位置にしつらえてある、光沢のある黒い板の上に身軽に飛び乗った。
老人は日本猿が立ち上がっている位の大きさしかなかった。
飛脚の様な服を着ていて露出した皮膚は顔も体も全部濃いピンク色で、古いNHKの人形劇に出てきそうな、ざらざらした布で出来ているみたいだった。目だけは作り物ではない生命の光が宿って いたけど、白目の部分が無く全部鈍く輝く黒目だった。
老人は黒い板の上でひらりひらりと舞いながら唄い始め、皆それに合わせて手拍子をとりだした。音程の上下動を三分の一くらいに減らした炭坑節の様なメロディーだった。僕が一拍目と三拍目に叩いていると、何人かは二拍目と四拍目に叩いていて(要するに四拍全部手拍子がある状態)うるさい。
いつの間にか入り口に一番近いテーブルに黒いスーツを着た男女四人組が陣取り、分厚い本を何冊も広げながらさかんに議論している。手拍子を何拍目に入れるべきなのかを決定する委員会のメンバーだった。
議論に結論が出ないまま、うるさい手拍子が続いているまま、老人は唄い続けた。
2009年1月30日金曜日
Spontaneous
今年の年賀状、兼どあノブイメージポストカード。
私は冬の金澤の空がかなり好き。
目まぐるしく天候が移り変わり
雲のグレーは幾重にも折り重なり・・・とても味わい深い。
これは2009年1月2日の金澤。
この日は雲間から太陽が差す中、
音をたてて霰が降り注ぐ、金澤冬日和。
※「金澤冬の回り舞台」としてもっか提唱中
「Spontaneous」は妻の提案。カラスがとても楽しく自由そうに見えるでしょ。
同じ1月に撮影場所の21美でも「スポンティニアス」なるものへ・・・
というトークショーがあったみたい。
これもちょっとしたいい偶然。
2009年1月28日水曜日
ウツボカズラ
ジロウが
「今日のお祭りに屋台を出すから、元締めに挨拶に行く」というので、
私も一緒について行った。
古い小さい薄暗い商家の、番頭が座っていそうな場所に元締めは座っていた。
彼以外は誰もいなかった。ジロウが彼に向かって中腰になり
「おひけぇなすって~」みたいなカンジではじまる挨拶をはじめた。
自分もとりあえず中腰になってじっとしていた(笑)
話も終わり「まあ、頑張りな…」みたいな、打ち解けた雰囲気になってきたので
私はトイレを借りるコトにした。(お酒を飲んで寝るから、よくトイレに行く夢を観るんだ)
たたきの奥にある…と言われドアを開けてみると片一方の壁が床から天井まで全部ガラス張りの小さい個室になっていた。
あとの壁はタールを塗った様な焦げ茶色の板張りだった。
ガラスの向こうは、雑草が生い茂る小さな庭みたいなスペース。
一応外からは誰も入れないらしい。
一メートル先くらいに隣のウチの古い崩れかけた土塀があった。
午後の光を浴びて薄茶化ていた。
確かに誰にも見られないから、これでいいんだろう。
外を見ながらなんて、なかなか洒落ている。
外をよく見てみると、雑草だと思っていたモノのほとんどは、ウツボカズラだった。
こんな場所に群生して…大丈夫なのかな。
なんて思いながら、
初めて実際に、お目にかかるその食虫植物に、ちょっと見とれていた。
2009年1月2日金曜日
2008年12月28日日曜日
アンコールは摩天楼のヒロイン
私はピアノプレーヤーとしてそのバンドに参加していた。
ラスト1曲前で散々盛り上がってピアノを弾きながらゆっくり椅子ごと倒れて、倒れた姿勢のまま、弾き続けながらピアノごとステージから退場(ローディーの子達が押しているのだ)しばらくして、そのまま(倒れた姿勢のまま)めちゃくちゃなフレーズを弾きながら再登場するという趣向だ。
倒れた姿勢のまま、また体が移動するのを感じ始めたので、弾いている音数をだんだん多くしながら、またスポットライトの中に移動していった。
アンコールは何故か南良孝の古いナンバー「摩天楼のヒロイン」だ。
ピアノの弾き語りっぽいこの曲は見せ所。
起き上がってみると(一見フツーのピアノ椅子に見えるのだが、自動で起きあがる仕組みが組み込んであった)なぜだか私がステージの中央にいる。「まあ、いいか…」
大いに盛り上がりそのラストナンバーも終了した。
前席の方にいる、ずっと私の追っかけをやっている声の張った女が盛んに私の名を叫び&お客さんにきちんと挨拶をしろ!と言う。
しょうがないので役者がやる様に大きく両手を広げしっかりとした滑舌でお礼の挨拶を述べ、深々とお辞儀をした。
ところが顔をあげてみると・・・ちょっと全体のムードがヘンだ。
今まで前の方にいたお客さんが大方居なくなっている。
そうだ、今日は韓国から「このバンドのファンだ…」と予てから公言していたスター俳優がボーカルでゲスト参加していたのだ。
このコンサートのためにわざわざ来日、そして今からまた韓国に帰るのだ。
後ろの方の席がどかされていて、いつの間にか詰めかけた報道陣が陣取って、今か今かと超人気俳優のお出ましを待っている。
「彼も可哀相にな…たまたま歌番組で、見事な日本語でウチのバンドの曲を披露したばかっりにこういうコトになって…5曲くらいしか歌わなかったのに…待ち時間、日本語はほとんど分からないのだから、さぞかし退屈だっただろうな…」とかぼんやり考えた。
そのウチに、彼の登場(というかお帰り)が間近になり、彼のヒット曲のイントロが会場のスピーカーから流れ出した。ローディーの子達も一目見よう… と後ろの方に駆けつけている。せっかくステージにいるのだから、と曲に合わせてピアノを弾き出したみたら、CDとは微妙に音程がズレている。気持が悪いので止めた。
人気俳優も無事帰り、ファンの子達も交えた立食パーティーになった。
中に一人、ちょっと控えめなカンジの美しい人がいる。
人混みをテキトーにかき分けてその子の近くまで進み、とりあえず声をかけた。
「その服、いいね」みたいな…
話してみると、日本の人気俳優と一緒に日本各地を廻る番組の撮影のために、韓国から来ている、これから売りだそうとしている女優の卵なのだという。
なんだか話せば話すほど、悪くない。
あんまり私達2人が密着しているので周りのファン達が少々騒ぎ出した。
一緒に来ていた私のマネージャー兼恋人の方をチラッと伺うと、ちょっと暗い顔をしてこちらを睨んでいる。ちょっとマズイなぁ…
彼女がポケットからなにやら取り出した。取材用に渡されたマイクロレコーダーらしいのだか、使い方がよく分からないのだ、と言う。
「そういうのは、得意だよ…、ここはうるさいからちょっとあっちに行こう…」
と彼女を連れ出した。
パーティー会場の隣には、青い青い真昼の海に突き出した、高校の理科室みたいな部屋があった。そこに入って手にとっていろいろ見てみる。
それはiPod shuffleくらいの大きさで、両端に短い金色のプラグアダプター状のアンテナ?が突き出していた。
コードレスイヤホン(要は耳に入れる部分しかない)を両耳に付けてステレオモニターする仕組みだった。二組あるので、彼女と私が装着してテストするコトにした。彼女のお付きの女子(韓国語しか分からないらしい)が、訳も分からず私達を眺めていた。
「じゃあ、スイッチを入れるから…そうそう、あっ、そうじゃなくて、もっと本体を近づけてみると…、そうそう面白いだろう?」
とかテキトーに言いながら、私は彼女にますます近づいた。
非常にリアルな音像を結ぶ、面白いレコーダーではあるのだ。
彼女も全然嫌がっていない様なので、
そのまま夕暮れの公園にいる若いカップルの様な仕草を続けて(笑)、
いい雰囲気になってきた。
お付きの人と、もっと遠くに私のマネージャーも居るのだが…
なんだかほっとくとこの子はホントに私を好きになってしまいそうだ&でもやっぱり今日は愛するマネージャーと帰ろう…とふと思う。
「○○さんと二人では不安です、ご一緒しませんか」と盛んに言うのだけど「いや〜、あの人はかなり面白いし、全然大丈夫だよ。楽しんでおいでよ」なんて言っておく。
気を利かせたつもりか、お付きの人その2が、いつの間にか、ハンバーガーやケーキの詰め合わせを沢山買ってきて机に並べている。なんなんだ…
とにかくこの場は切り上げて帰らなくてはいけない…そう思った私は何故か
『ハンバーガーをバラして、レタスについているマヨネーズとかを丁寧に拭き取り』始めた。
その場でのその行為は「今は食べないよ…」という意志表示(暗に、今日はもう帰るよ、という意志表示)らしい。
それを見た彼女は「私にはこれからそんなに丁寧なコト出来る様になるかしら…」と何かシミュレーションし出している様な発言をしている。なんなんだ・・・
彼女の弟という角刈りの人物もやってきて「俺は口は悪いが、心は中はドウタラコウタラ…よ!未来の兄さん」なんて言う。
なんだか気のいいヤツだ(そんなコト言っている場合なのか)
ハンバーガーの処理を終え、今度はショートケーキの詰め合わせに取りかかった。
でも、これはどうしていいか分からない。下手なコトをするとヤバイことにもなりそうだ。
ケーキの間に紙を入れたり、戻したりしながら、しばし切羽詰まった。
2008年10月28日火曜日
錦鯉
引っ越してきてからここ半年以上
ずっと手付かずだった奥の部屋を整理したいと思った。
もともと家財道具は少なくメインで生活している手前の部屋も充分ガランとしているけど
すぐには使わないモノを全部、奥の部屋に整頓して押し込んでしまおうと思ったのだ。
こういうコトは思い立ったらすぐやらずにはいられなくなるタチだ。
どうしてなのか…奥の部屋は前の住人の痕跡がいろいろ残ったままだ。
引っ越しする度に、こういうコトは今まで何度かあったけど。
例えば左の壁のちょっと高いトコロに後付けした意味不明の違い棚、まあこれはヨシとして…
突き当たりの壁一面に、点々と写真とそれに付随した一言コメントがノートを細長く手で千切った様な紙に書いて張ってあるのだ。
第二次大戦中のヨーロッパ、休暇中の兵士が地元の女性達と撮ったスナップ、という雰囲気のモノが多かった。
メモ書きには voia oue aisとか、何語かよく分からないけど響きの良さそうな短い言葉が、細いクレヨンみたいな筆跡で綴ってあった。
右端には古い洒落たギャング映画の大きなポスターが張ってある。
今まで全然気が付かなかったんだけど、注視していると人物がゆっくりループで動いている!
「あれっ?」と思って振り返ると部屋の入り口付近、机の上うずたかく積み上がった
PC雑誌やソフトの箱のてっぺんに置いてあるプロジェクターからこちらに投影している…
三コマくらいが上手い具合にクロスフェードして動いている様に見える仕組みらしかった。
確かにカシャカシャいっている。
引っ越して以来、ずっとこの電気代を払っていたのか…
さらに見ていくともう一枚、やはり動く小さいポスターがあって、振り返るとそれもやっぱり小さいプロジェクターが投影していた。
突き当たりの壁は大きな三枚のパネルで出来ていて微かな隙間があった。
覗いてみると部屋から漏れ射し込む光くらいではまだ奥まで達しないらしく、真っ暗だ。
どうやらそこそこ広い空間がまだその先に広がっているらしい。
いつの間にか大家さんがクリーム色の作業服を着たおじさんを従えてやってきている。
左の壁をとりあえずハズしてもらう。
そこにはタンスと、その上に大きめの水槽があった。ここにも電気が通っていて、ポンプなどは正常に作動している。澄んだ水の中、色鮮やかな死骸が積み重なっていて、
その上にほんの少しだけ、生き残った魚がゆっくり漂う様に泳いでいた。
真っ暗な中で死んだ魚を食べてこれまで生き延びてきたらしかった。
真ん中のパネルをはずすとガラスが湾曲した大きな水槽があった。こっちの水槽には沢山の魚が泳いでいた。巨大な金魚と、小さくした錦鯉ふうが沢山泳いでいた。
久々に射し込んできた光に、鮮やかな白と赤の模様が艶めかしい。死骸もそんなに見あたらなかった。
エサも与えられずに真っ暗な中で今までどうやって生きてきたのだ?
一瞬綺麗に思うのだけど、全体としてやっぱり気持ち悪いし、どうにかしたい。
でも見に来た大家さんはどうも
「このまま放っておきたい&もしも撤去したくても費用は一切払わない」つもりらしかった。
明らかにそういう顔をしていた。
2008年10月12日日曜日
鼓門
金沢駅のシンボル鼓門と二つの航空会社系列ホテルが、
満月をはさんで鼎談中。オンリーワンの見事なデザイン。
何にも似ていないのに、どこか馴染みがあり、そして風格も兼ね備えている・・・
と思う。金沢市の英断に拍手。
異を唱える人もいると聞くけど、気にしない気にしない。
尾山神社の門も出来た当初は「あんなヘンテコなものは壊してしまえ・・・」なんて過激なご意見にも見舞われたコトもあったけど、歴史を経て優雅な名所になりました。(実を言うと私も子供の頃は「ちょっとヘンテコだな・・・」と思っていた記憶アリ。ハハハ
金澤は「歴史的なモノ」が多く残る街だけど、未来に残る新しいモノを生み出す力も持った街
私はどちらかというと、後者に敬意を表したい。
2008年10月3日金曜日
2008年10月1日水曜日
超捻転拳
あまりパッとしない女の子達を連れてビルの中に作られた屋台村のようなトコロで軽く食事をして、外に出てみると雨が降っていた。
傘も持っていないし、じきに上がりそうだし、そういえばオナカもまだ満腹じゃないし…
もう少し飲み食べしようかな…と思い直し、もう一度中へ。
入り口脇にあるのは安くて新鮮なネタ自慢のお店。
値段を書いた黒板と一緒に氷見のブリとか美味しそうな生シラコとかステンレスのバットに並べて店の前に出してある。
これから仕込むのだ。
ちょっと吟味しようと思いバットをしげしげ覗き込んでいると横から
「おお、ここが安いよぉ。ここにしようここにしよう。すいません6人なんですけど〜」
抑制の効いていない声を張り上げながらちょっと間抜けそうな学生風がやって来た。
「おいおい4人だろう、俺たちはもうここにいるじゃないか」
見ると店の奥のテーブルにすでに6人のグループのウチ二人がもう座っている。
そして一つおいて一番手前のテーブルにも全く同じ外見の人物が二人、座っていて手招きしていた。
なんだか落ち着かなさそうな気がしてきたので、やっぱり飲み直すのは止めて再び外に出た。
先ほどとは違い雲の底の色がだいぶ薄くなってきていて、もうじき雨は上がりそうだった。
ふと、バスが表通りをふさぐ様に横向きに停まっているのに気がついた。いつから道を塞いでいたのだろう。一種異様な雰囲気の車体なので誰も文句を言わなかったのだろうか。
艶のないオリーブ色。マイクロバスとキャンピングカーっぽい二台が蛇腹で連結してある。軍隊から払い下げた特殊車両をちょっと改造している様だった。
しばらく見ていると次々同じ様なファッションセンスの一団が乗り込んでいく。どうも大家族とその友達一行が旅行中らしい。
そのうちエンジンがかかり、ディーゼルの黒い噴煙があがる、絶妙の車体感覚で歩道に乗り上げ電柱ピッタリまでバックして(それでも50センチくらいしか下がっていないのに)器用に一発で切り返し動き出す。すぐ側にある駐車場に空きが出来たのでそっちに移動するらしかった。
ほどなくして黄色い服を着た小学校中学年くらいの男の子が袋をさげて帰ってきた。こっちを見て気さくそうな笑顔を浮かべている。
思わず声をかけた。
「そのバスすごいね。何処から来たの?」
中に入れてもらう。
彼の袋の中を見せてもらうと、AYURAのマークがついたモノがいろいろ入っていた。
「あれ、アユーラが好きなの?男の子なのに?」
「そうなんや。いま学校でアユーラ流行ってんねん。マークもカッコエエやん」
金沢AYURAにしかないグッズをいろいろ買い込みに来たのだと言う。
私は以前ここのブランドイメージCDを作ったコトがあるので、思わぬ偶然にちょっと嬉しくなってきた。
「僕ね、昔AYURAのイメージをテーマにCD作ったコトあるんだよ。マークが盤面イッパイに印刷されているんだ。多分まだ、このマークの付いた自分の名刺も持っているよ。ちょっと探してみるね、それを君にあげるから連絡してね。CDも探しておくよ。」
ところがさんざん探してもいっこうに出てこない。違う人の名刺は沢山出てくるのに。
しょうがないので誰かの名刺の裏にペンで電話番号などを書こうとしたけど、今度は借してもらったペンが次々擦れて字が書けない。
やっとインクがちゃんと出るヤツで書こうとすると、今度は紙がインクをはじいて、書いたそばから、みるみるインクが表面を滑り出し全然違う表記になって定着した。
見かねた彼が自分達の連絡先を書いた紙を渡してくれた。不確かな字で電話番号だけ書いてあった。
振り返るといつの間にか、お父さんが帰ってきて窓から顔を覗かせていた。想像していたのとは違う、中小企業の技術者の様な風貌だった。たっぷりした髪を横分けにして、細かいストライプのワイシャツの下にTシャツをのぞかせ、柔和な笑顔。
こういう人ほど、いざとなったら一番コワイんだろうな…とふと思った。
「ウチの子なんかと話してもつまらないでしょう?」
「いえいえ、しっかりした面白い子ですね、ありがとうございました。そろそろ失礼します」
言いながら降りようとして、ステップに立ったらバスが動き出した。歩いて帰れる距離なのだけど、ウチまで送ってくれるというコトらしい。
なぜか一番下の子、たぶん5歳くらいの男の子がチョコンと運転席に乗っていた。
お父さんが横から「この子は運転がとっても上手なので、大体任せているんですよ」と満足げに言う。(上手とか、そういうことじゃ…(笑))
その子が狭い駐車場をすごい勢いでガンガン切り返している遠心力で振り落とされない様に、しっかり掴まっていると、出口まで来て一旦停止した。
「今までは、倍速だったけど、これからは通常に戻す?」
って彼が、幼い、くぐもった小さな声で尋ねる。
面白そうなので
「このまま、行って。でもこの先はすごく細い道もあるよ、このバス通り抜けられるの?」
と聞くと
「大丈夫、その時は僕のチョ〜ネンテンケン!が炸裂するからさ」
と今度は元気のいい甲高い、ちょっと鼻にかかった声で言う。
駐車場を出て最初の突き当たりを左に曲がると、はやくも用水沿いの幅が車一台半分位しかない道。さっそく向こうから白い乗用車が近づいてくる。
とてもすれ違い出来そうになかったけど、近づくにつれてその車はどんどん小さくなって来た。
「大きい車から見ると、まわりが小さく見えるだっけ…」そんなコトをぼんやり考えた。
対向車は大きさだけでなく、動きもだんだんヒョコヒョコし始め、ラジコンカーの様な挙動で脇を抜けていった。
用水にかかる狭い橋を、総ての角をギリギリに使って一発ですり抜け、いよいよ狭くてクネクネした城下町特有の路地に入って行く。
「ホントにぬけられるのかな…」
前方に明らかにこの車の横幅よりも狭そうな箇所が見えてきて、
そこにさらに軽自動車の対向車が来たその時、彼が「チョ〜ネンテンケ〜ン」と叫んだ。
同時に車のフロントガラスから見えている風景が、ドアの覗き穴から見える風景の様に歪みだした。車の進む方向だけ空間が歪んで広がっている様に見える。対向車も脇に逸れるに従い小さくなっていき、仕舞いには電柱脇にすっかり納まって待機している。
「こんなトコロ抜けるのはまだ簡単だよ。以前ナガタさんを仕事で乗せた時、渋谷の裏道で細いトコロあったなぁ」なんて思い出している。
別に魔法を使っているワケではないので限界もあるらしかった。
永田さんと仕事…こんな小さい子なのに…、永田さんはこの子のコト何にも言っていなかったよな…まだまだ知らない人脈広いんだな…今度東京に帰ったらちゃんと紹介してもらおう…などと考えているウチに犀川沿いの、ちょっとだけ広い道が路地の向こうに見えてきた。
また少し雨が降り始めたのか、道路はしっとり濡れていて水銀灯の白い光が綺麗に反射していた。
2008年8月18日月曜日
2008年7月17日木曜日
登録:
投稿 (Atom)



























